CLiQは「TV局のニュース番組ディレクタとなって害意情報の検知能力を試すゲーム」ですが,本ゲームは「シリアスゲーム構築プロセス(SGDP)に基づいて開発したシリアスゲームでもあります.シリアスゲームとは,「世の中の課題解決を目的として開発したゲームのことですが,CLiQが対象とする世の中の課題は,「SNSを通して発信・拡散される投稿中に含まれる害意情報から悪い影響を受ける人が多いこと」です.悪い影響を受けないようにするためには,投稿中に含まれている認知バイアス(ステレオタイプや根拠のない憶測等)や誹謗中傷等を即座に検知することが重要で,認知バイアス等の即応検知能力の向上を目的としたシリアスゲームが,CLiQです.
TV番組で放送すると,視聴者に対して害を及ぼす可能性があるSNS投稿があることを,皆さんは知っているだろうか.そのような投稿のことを害意情報と呼ぶ.害意情報の中には,偽情報や誤情報もあるが,事実に基づいているが意図的に相手に悪い影響を及ぼすための情報もある. CLiQは,ステレオタイプや根拠のない憶測等,認知バイアスが付与されたSNS投稿の中から,放送すると害を及ぼす可能性があるSNS投稿を即座に検知する能力(即応検知能力)を試すゲームである.
CLiQはNHKの番組「沼にハマってきいてみた」で利用されたことで知られてますが,放送後にCLiQが即応検知能力の向上に効果があるか否かを実験により評価し,その効果測定結果を2025年9月12日(金)〜13日(土)に栃木県宇都宮市で開催された日本デジタルゲーム学会の夏季研究発表大会で「認知バイアスへの即応検知能力向上を目的としたシリアスゲームの開発〜批判的思考態度尺度による評価〜」というタイトルで発表しました(プログラム).
今回の効果測定は,CLiQを利用して批判的思考態度に変化があるか否かを,批判的思考態度尺度を用いて評価した結果に関する発表で,発表後は教育学の先生方からの質問に対して質疑応答がなされ,CLiQの有効性に関する研究成果がうまく伝わりました.

